C.T様 (女性)(重症のうつ病と強迫性障害、PTSDとの戦いから)   H15.01.08.
--------------------------------------------------------
  
 あれは悪夢でした。あの頃の私の心と体は、まるで下から引っ張られるかの様に大変
重くなり今まで経験した事のないような世界へと引き込まれて行ったのです。突然、何も
かもが空しくなり、切なくなり、いてもたってもいられなくなり、その場に落ち着いて座って
いられないのです。そして、恐ろしい事に自分が高い所から飛び降りて自殺するシーン
が、目の前に迫ってくるのです。
 今思えば、そうなる少し前に兆候のようなものがあったかと思います。すでに精神科に
お世話になり、二ヶ月程過ぎた時のことでした。今年四月(14年)に入ってしばらく過ぎた
頃、それまでずっと自分の中にあったはずの一すじの光が消え薄れ、妙に空しい気分に
なっていったのです。私の頭の中を”どうして?”という文字がよぎります。精神科に通い
薬も飲んでいるのにもかかわらず、何故、どうして良くならないのだろう?何故こんな風に
なってしまったのだろう・・・。辛うじて私の心をつなぎとめていたはずの一すじの光は一体
どこへ行ってしまったのだろうと。
 その一すじの光とは、13年の9月、父親の家庭内暴力が再発した時、十代の頃とは違い
自分から110番通報し、自分の心身を自分で守るということが出来るという安心感と自信
があったことです。しかし暴力事態は悪くなる一方でした。12月には二度目の110番通報
となりました。その際、警察の生活安全課への相談のアドバイスを受け、年明けの1月、
生活安全課から今度は保健所の保健婦への相談をすすめられました。そして私は、自ら
精神科を受診することにしました。それから伊澤先生と出会う14年10月の上旬まで受診
は続きました。しかし受診を続けても、私の心身の状態はひどくなる一方でした。
 やがて一日一食を食べるのが苦しくなり、やっとの思いで食べ終わるという風になって
いました。薬の種類は5種類へと増えていったのです。その時の私は、歯磨きに一時間
半、入浴には二時間から三時間、爪を切るのに三時間かかりました。クリニックでの診断
名は強迫性障害、心的外傷後ストレス障害です。このままの状態が続くのなら、私はもう
とても生きていけないと思うようになっていきました。そして毎日死にたいと考えるように
もなりました。何もかも全てが無意味で無価値に感じられ、自分自身の血となり肉となる
食事はおろか、歯磨き、入浴、洗顔、爪切りなど全てが出来なくなっていきました。顔も
洗えず、歯磨きは葉香先生に出会うまでの三ヵ月半もの間、ほとんど出来なくなりました。
とうとう精神科医に、恐怖感への怒りをあらわにすることになってしまいました。そして、
長く暗いトンネルの中10月上旬、運命的な出会いが訪れたのです。


 葉香先生に受けた個人セッションの第一回目や二回目は、余りにもうつ状態が重かっ
たせいか何をしたか記憶が薄れているほどです。そして三回目のセッションの後、大きな
変化がやって来ました。自分でもなんだかよく解らないけれど、歯磨きが出来そうな予感
がしてきたのです。それから三日ぐらいすると、いとも簡単に歯ブラシを持つことが出来た
のです!!私は葉香先生にマジックをかけられたような気分でした。何故そうなったのか
は、正直私にも解らないのです。その後もセッションの度にマジックは続いて起こりました。
爽やかな気分になり、緑深く残る玉川上水を歩きたくなったのです。そして、食事がおいし
くなり、入浴も本来の気持ち良いものへと変化していきました。歯磨き時間は1/3の30分
以内で済むようになっていました。色々なことが気軽に楽しく出来るようになり、生きる勇
気は日毎に高まっていったのです。

 私が葉香先生のセラピーで学んだことは、表面には解らない隠れた過去から来ている
ネガティブな意識への気づき、それが現在に至るまで大きく影響し、私の人生を苦しめて
いること。けれど、どんなことがあっても決してあきらめてはいけないという強い意志を持
つということなどです。その為に、先生が様々なセッションによって癒して下さいました。
それらは全て、私にとって新しい発見となっていったのでした。セッションの後は、何かス
ーッとした気持ちになり前に進もうとするエネルギーが湧いてくる感じでした。現在、諦め
かけていた自己実現(歯科衛生士になる)夢に向けて改めて、時間がかかってもよいか
ら取り組んでいこうという思いを持てるようになりました。
 今、私は毎日元気です。元気になって毎日幸せを感じています。そして、特に葉香先生
と先生を紹介してくださった平井先生(歯磨きをしてもらった歯科医)、それから回復のた
めに支援協力してくれた母と父、そしてこのすばらしい自然界への感謝の気持ちで一杯
です。本当に有難うございました。
 

                                      ー了ー


                     
                     トップページへ戻る