女神の砂      



<ある日の個人セッションから>

 17年1月のある日に行われた個人セッションでの出来事は、ご本人にとって魂の安らぎと神への理解とをもたらし、衝撃的で素敵なメッセージを受け取ることになりました。
ご本人の了解を得て皆様に、分かち合いたいと思います。 現在、西東京市にお住まいのN.Iさんの個人セッションでのことです。

 Nさんがセッションを受けようと思われたのは、人からのさりげない言葉を受けたことがきっかけでした。
或る人からの言葉によって、心に長い針をつきさされたような感じがし、その瞬間真っ白になったそうです。その後はその人に会う度にいらいらして、以前の関係を取り戻すことができなくなってしまい、何とか自分を取り戻そうと相談にいらっしゃったのです。
 それは、次のような言葉からでした。
「今の自分があるのは過去のおかげでしょ。それを否定しちゃいけないんじゃない。」という言葉だったのです・・・。
この何気ない言葉に大きく動揺してしまったのです。激しく反応し言い訳を繰り返しながらも頭の中が真っ白になったということでした。
原因を知り、怒りや悲しみや不安などで一杯の心を癒し、関係を回復することがその日の目的でした。



理解のできない動揺やコントロールするのが困難な感情が湧き上がる原因には、未完了の感情エネルギーや過去のトラウマが関係していることが多く見受けられます。
今回もその原因をいろんな観点から調べてみた際に、インナーチャイルドの姿が浮かんできました。それは、胎児4ヶ月の頃のことです。ここにその鍵が隠されているようです。またキネシオロジーによって調べた結果、肉体的には心臓や循環器の血液や気の流れを滞らせて、部分的には心経という経絡の流れにも影響を与えていることがわかりました。五行でいうと「火」の部分です。
 インナーチャイルドヒーリングが最も必要とされていて、尚且つ効果的なのがわかり、退行してその部分を共に見つめてみることにしました。この時、私はご両親からの影響を考えていたのですが、実際に退行してみたら思いがけないことがおき始めました。これから先は、退行の際のNさんの言葉をそのままお伝えします。またセッションが進むうちに、友人の言葉がNさんのどこを刺激したのか明確に理解することとなりました。
胎児4ヶ月の彼女から始まりました。




(N)白いヒモが見える。  *(へそのうを見ています。)
   だいたい、私はなんでこんな所にいるの?
   あれもないし、これもないし、何もない。
   いい加減ここから出して頂戴!こんな牢獄みたいな所!
   あんた一体何なのよ。・・・・
   ここはどこか全然わからない。ヒモでつながってて動きたいのに動けない。
   ちょっとこれとってよ早く、あ〜あ邪魔でしょうがない。
   ああ疲れた・・・。(ご本人はぜーぜーと息をしていました。)

   しばらくしたら、またくるくる動き出し、悪ふざけはよしてよ!と
   怒鳴っています。


   いらいらしている彼女の目の前に女性の姿が浮かんできました。
   (竜宮城のお姫さまのような女神の姿でした。)
   

   胎児の小さなNちゃんはその女神様に、何故自分がこのような
   所におかれているのかを、訊ねはじめました。
   以後はその問答です。




(N)私は何故ここにいるのですか?
          
         「あなたは生まれ変わるためにいるのよ。
          まだまだ修行することがあるから、
          このお腹をかりて、人間として生まれ変わるのです。」

(N)ここで、なんかやることでもあるんですか?
 
         「ええ、たくさんあります。
          世のため人のためにたくさんやることがある」  

(N)私はいや、わざわざ下におりてってやる必要ない!
   いやだ!上にいる。

         「それでも行かなきゃならないのです!」

        *女神様はにこにこして彼女に言い聞かせます。
         どうしてもNちゃんはいやだと言って聞かないでいます。
         すると、
        
         「そんなにくどくど言わず、行っておしまいなさい!」と。
        

(N)そんなこと言わなくていいじゃん。(シュン)

         「あなたはまだ学ぶべきこともあるし、世に広めなくちゃ
          ならないこともあるのに。いつまでもここにいちゃいけません。」

(N)そんな寂しいこと言わないで。追い出されてるみたいじゃない!

         「しばらく行って来なさい。後がつまってるから早く行きなさい!」

(N)いやだいやだ〜。

         「いつまでも甘えるんじゃありません。」そう言いながらサンタさんの
         持ってるような大きな白い袋(リュックのようで、その中に水晶のよう
         に光る玉がたくさん詰め込まれている)が手渡され
         「この中に必要なものを入れておくから、さっさと降りて行きなさい!」
         と女神様が言います。

N)いやだ〜。行きたくない。お母さんが私を見放した〜。
        今までに感じたことがなかったような、ものすごく大きな深い恐怖を感
        じていました。見放されてたった一人になってしまうことへの恐怖心で
        一杯でした。
        (Nさんは激しく泣いて泣いて、肩が大きく何度も何度も揺れていま
         す。それは私の心の中にもある恐れへと連れ戻していきました。) 
  
         「行きなさい!」
   
(N)何故、私ばかりこんな目に遭うの?お母さんに見放されて・・・・・・。
    
      (一人ぼっちになってじっと立ち止まって、後ろを振り返りながら、お母
       さん(女神様)が戻って来なさいと言ってくれるのを待っている。
       すると、女神様はやってきた道を戻って行ってしまったのです。そし
       たら、もう一度振り返ったとき、後ろに道はなくなりもう前にしか道が見
       えません。Nちゃんはお母さんに置いていかれた寂しさと、これか
       ら向かう世界への不安で一杯になりました。未来は暗黒の世界に感じ
       られたからです。
 

     *私(セラピスト)は大人のNさんの視点で、その時点での小さなチャイルド
       を見てもらいました。
       彼女の目に映った姿は、空虚で虚しく広い場所にぽつんとした物体が
       浮かんでるだけで、何もない。感情もなく、ふぬけのようになった姿が
       見えたようでした。
   
(N)生まれる喜びなどない!考えるのも面倒!いいのよ、このまま自分のことを  
   ほうっておけば。適当に外に出て、適当に大きくなって、適当におさらばして、
   また元に戻ればいいのよ!。
   何も学ばず、誰の役にも立たず、そのまま帰ってやる!
   そうだ!そうしよう。お母さん(女神様)をこまらせてやろう。そういう意味でなら
   外に出るのが楽しみ。そう思えば寂しくない・・・・。
   胎児のNちゃんはそんなふうに決めていました。



     *彼女の心には、見捨てられた怒りと憎しみとが、ハートの中で硬い層を
       作っていきました。次の瞬間、天国への道がなくなってしまい、全ての
       過去が消えて、あるのは真っ暗な道が前に続くだけでした。
       


     *そこまでやって来たとき私は、友人からの言葉がNさんの心の中で、
       どれ程大きな痛みに触れたのかが始めてわかりました。転生により過
       去だけでなく母なる存在とも分離してしまい、過去を否定しようにもどこ
       にも過去を見出せなくなっていたし、母なる女神の元に帰る道すら見つ
       からないのです。それがいかに深い孤独を引き起こしているのかが理
       解できました。


       しかし私はこの先どこへNさんを導けばよいのか考えてしまいまし
       た。このような深い悲しみを癒すことができるとしたら、それは、Nさ
       んを今生へと送り出したあの存在以外にないと感じ、女神様と別れた
       場所へと導くことにしました。でもそこに行って、もし道が見つからなか
       ったらどうしよう・・・・・・・・・・。
       そうなったら彼女の分離感は癒されないまま、セッションを終えなければ
       なりません・・・・。
       しかし、別れた場所に行ったとき、思いもかけないことがそこから起き
       始めたのです。



      
(N) ・・・・わたし、自分の手で、戻る道を消してきた・・・。(そんな言葉をポツリ。)
   
   そしたら、お母さん(女神様)が、消しても消しても、道をつないでくれてる。私
   は消しゴムのようにどんどんこの道を消していたのに、後から後からお母さん
   (女神様)が金・銀のそれは美しいキラキラする砂をパーっとまいていらっしゃる。

   帰る道をつないでくれていたんだ・・・・・。
   今までずっと見ることもできなかった道が、今はっきり見える。
   お母さんが涙を流しながら、私の消していく道をつなげてくれてた。「早く気付
   いてほしい。見放したわけじゃない。誰も子供を手放すわけがない。勉強のた
   め、旅をさせなくちゃならない。この子のために。」って言っているの。
   
       そう言いながら泣いている女神様の姿が、Nさんの目にははっきりと
       見えました。

   女神様は、彼女のほほをさすりながら目に涙をいっぱいためて「よくここまで、
   大きくなりましたね。」と抱きしめながらおっしゃったそうです。
     
      *このとき、セッションルームは光と暖かさに満ちていました。    
        Nさんの目には、女神様の慈愛が彼女を満たしさらにセッションルーム
        を満たし、空間の全てを満たし地球の全部、そうして宇宙空間の全
        てがその愛に満たされていることがはっきりと実感できたようです。
       

   
       こうして、Nさんの深い分離感が癒されていきました。
      セッションが終わったとき、涙でぬれたティッシュの山ができていました。
      もちろん心経の状態もスムーズになり、安らぎが戻っていました。
      自らを癒そうとするNさんの思いは、魂の分離感さえも癒し大いなる
      存在とのつながりを発見することとなりました。そして、日々生きている
      この道は御許へつながる道であり、また戻っていく道でもあることを気
      付かせてくれました。
       この道は、見ようとすれば誰でもが見える道。
      そして、この道の先には宇宙を包む慈愛が確かに存在している。
      私たちが気づける日をひたすら待ち望み、あふれる慈愛で待ってくれる
      存在がいてくれる。私たち一人一人に向かって毎瞬、愛を贈り続けてく
      ださっている。それを実感したセッションでした。

      このすばらしい贈り物をあなたにもお届けしたいと存じます。
      最後に、Nさんのコメントをお伝えし深く感謝してお礼の言葉に代え
      させて頂きます。
 



<Nさんからのメッセージ>
   
    セッション直後に感じたこと。
   私が感じた分離感は、日常生活でのイライラや怒り等のマイナスな要素をつく
   る観念となっていました。私を見放したと思っていたお母さん(女神)への仕返
   しです。
   そんな個人の想いを大きくしていくと、同じような分離感を感じている人々が集
   まり、身近な人とのいがみあいや個人レベルのいざこざに始まって、世の中
   の犯罪や戦争、自然破壊などに繋がっていくのでは?と思いました。
    しかし、一人でも多くの人があの愛に気づき、”お母さんへの仕返し”(笑)を
   やめて光への道を歩んでいけたら、世の中はその分だけ美しくなっていくの
   ではないか?と思いました。  
    
    数日後に感じたこと。
   日常生活の何が変わったという具体的なことはまだわからないが、自分の中
   の軸というものがピタッと来た感じがします。天と地の縦のつながりは感じてい
   たけれど、今回のセッションで、過去と未来という横のつながりもハッキリしたとゆ
   うか・・・・・。
   その中心に私がいて、「今」という時にしっかりと存在している。
   そんな感じがします。

    感謝
   葉香さんのセッションは毎回大きな大きな気づきがあります。その度に日常生活
   もより自分らしく歩けるようになってきました。いつも大きな愛をもって導いてく
   ださる葉香さん、そしてもちろん天のお母さんに心から感謝しています。



                                 −了ー