2021.4.5


新年度が始まりましたね。

先月末には、皆様も親しい方や友人とのお別れを経験した方も多いかと思います。

学生さんたちは、お友達と会う機会がほとんどないまま卒業を迎えられたり、

新入社員になっても、テレワークであまり会社に行かないうちに二年度を迎えたり、

過去の年月では経験のないような新年度となりましたね。



計画していたことや期待していたこと、こうあるはずとか、当然と思っていたことが

結果的に異なってしまった時、それを素直に受け入れることは難しいことです。

個人的なお付き合いに限ってみても、そのような場合はまず怒りを感じるかもしれ

ません。そして度重なると失望感や恨みとなり、関係を壊してしまうこともあります。

コロナウィルスは、人々の心から予定や当然と思っていた流れをことごとく裏切り、

世界中を混乱と不安と恐れに巻き込んでしまいました。



古いテレビドラマを見ていると、笑顔の中に安心と優しさがある気がするのですが、

現在は大きな変化の中で現実への対応が難しく、怒りとなったり不安や恐怖を深

めているのかもしれないと感じます。

このような状況下では、自分の選択肢を失っていることが多いものです。

本当の心に副わないまま生きていて、気づかずにいる時、いつのまにか身体や心

には大きな怒りを溜め込みます。

怒りや恨みは他者や自分への攻撃性となって表現されたり、場合によっては抑圧

されたりするのですが、いずれも心身の健康を蝕んでいきます。

現在の状況は、それらが起こりやすい環境にあります。

出来る限りそれを回避し、健康な心身を育みながら「今」を前進していきたいですね。



あまり外に出られないという環境下で出来ることは、心の断捨離です。

怒りを感じること、またネガティヴな気持ちを抱いていることなどを書き出し、本当は

どうしたいのか、本当の心は何を求めているのか、を自分に聞いてみます。

また怒りの相手がいる場合、その人にも同じことを書き出します。

深く見つめてみたら自分への怒りで、身動きが取れなくなっているのかもしれません。

変えられることが何なのか、変えられないことは何かを見定め、一つ一つの

テーマについてじっくり検討し、自分なりの決着をつけていきます。

そうすることで停滞から抜け出し、前進するための力を養っていきます。



もう一つはお部屋の断捨離です。

物を整理したり捨てたりという作業を通して、人々が手にする自由は大きなものが

あります。自分が何に拘っているのか、執着しているのか、隠してきたものは何か

などにも気づくことが多く、それらを選別するうちに、選択能力が蘇ってきます。

判断力も増し、重荷が減って移動が楽になり、広がりの空間は心を安らがせて

豊かに感じられます。

選択の基準は、これから先も持っていたいか、持っていたくないかという点にある

と思います。それがあると幸せに感じられるか、それとも気持ちが暗くなったり悲

しくなったり後向きになるものは、処分することを考えてみます。



心と物、この二つの断捨離は今だからこそ出来ることなのかもしれません。

私も春らしく身も心も軽やかになって歩いてみます。

                                     葉香



       前頁へ                  次頁へ


                   ホームへ