師
2024.2.1
こんにちは。
あっという間に立春がやってきました。
といっても、被災地での厳しい一日は長く感じていらっしゃるかとお察し致します。
テレビで何度も放映されたので、目にした方も多いと思いますが、
何日も水が出ず不自由な思いをしている中、やっと水が出たお家の様子が放映されました。
多くのものを失い厳しい寒さの中でしたが、手を合わせて涙ぐみながらありがとうと拝む姿
を見ました。他県の水道局の皆さんの応援で、そのお家に水が来ました。
拝む姿にも、遠くから駆けつけて助けようとする姿にも大変心打たれるものがありました。
そこに師の姿を見る気がしました。
師と呼ばれる人は、その分野における優れた知識や力や徳を兼ね備えていることが多いですね。
人生の様々なステージで、そうした優れた師に出会えたおかげで今の私があります。
また私がこうして毎月コラムを書いているのは、ヒーリングやセラピーを受けに来てくださった皆様
の御陰なのですが、皆様は私の仕事における尊い師です。皆様との出会いがなければ、25年の
私の日々はあり得ませんでした。
そして最大の師と断言できる人は父母です。彼らなしに私という存在すら無かったのですが、
両親に学んだこと与えられたことは、初めから理解し受け入れていたことではありませんでした。
苦しみから理解したことがほとんどです。しかしその苦しみが無かったら、私にとって最も大切な
ことは、決して理解出来なかっただろうと想うのです。
恐怖という師もその一つです。
死への恐怖・人への恐怖・貧乏や孤独・老いや閉所・暴力・病・特定の状況などを対象に数多くの
恐怖症や症状に出会い、多くの方々と向き合ってきました。
それがもたらす不安や畏怖や焦燥感やパニックは、強いストレスとなります。
必死になって安らぎを求め、生きるための方法を探し求めざるを得なくなるほど、追い込まれて
いくこともあります。
それを乗り越えるためなら何でもしようという気になって探し始めた時、まるで彗星のように助けと
なるものに出会ったり気づきがやって来たりします。
この物質世界は全て変化を常としているので、「得る」こと「失う」ことと共にあります。
VUCA(ブーカ)という言葉がありました。
変動性(Volatility)・不確実性(Uncertainty)・複雑性(Complexity)・曖昧性(Ambiguity)
の頭文字を並べた造語で、社会環境で想定外の出来事が起こり将来の予測が困難な状況を
意味するものです。これはまさに現在の日本や世界の状況そのものを現していると言えます。
コロナ禍・気候変動・食料問題・環境破壊・温暖化・エネルギー問題・戦争・などの中、心を傷めて
いる方が多いと思います。
こうした状況下にあって、生きるために絶対に必要なものは何かを知ろうとします。
目には見えないけれど真理、平安、平和、人類愛、無限なるものへの憧れも強くなってきました。
現在の環境そのものが師と呼べるものです。
過去のどの時代にも無かったくらい速く変化しているけれど、分かっていることは生まれたら
死ぬということです。しかしこの人生を終える日までは、生きていることが出来ます。
困難や苦しいことが身に降りかかってきた時、心の中で抵抗が生じます。
困難や問題をまず受け入れること、そうすると私たちの中に存在する幸せと喜びと叡智と力が
働き始めます。
自分の環境や自分の状態を嫌う人もたくさんいますが、拒絶しているうちは幸せの力が出て
来ることはありません。その力は私たちの心の中にあるからです。
喜びや叡智に変容させるスーパーカーのような輝かしい力を自ら止めてしまうのです。
まず受け入れる。そして自分を肯定しそこから喜びを見つけるために歩き出します。
放映されたシーンは、VUCAの世にあって人の持つ輝きを象徴しているように私には見えました。
助けを待つ人、助けを届ける人。どこにいてもどんな地に住んでいても、皆が助けを得ることが
出来る世界は美しいです。
葉香
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