おおかみこども
                                                        

                               2014.3.5


今年もひなまつりが迎えられたというのに、まだ寒さが続いています。
皆様お変わりありませんか。
私は4月生まれなのですが、毎年この季節になると大きな節目となるような出来
事を経験します。それは一見悪いことのように思えるのですが、過ぎてみれば不
具合な自分を脱ぎ捨てていくような機会でもありました。



先月のコラムを読まれて、何人かの方から共感のお便りを頂きました。
私たちの心の奥にあるとても深い部分に残された痛みに触れて、見たくないもの
を見たような気がすると仰った方もいれば、これは私そのものとおっしゃった方も
いました。孤独や寂しさや居場所のない感覚は誰もが持つものだろうと思います。



そのような中で、アニメ−ションの「おおかみこどもの雨と雪」という映画を見まし
た。皆様もご覧になられた方が多いかと思います。
はなという女性が、狼と人間の間に生まれた青年と恋をし家族となった物語です。
結婚後二人の子供が授かるのですが、その直後に彼は事故で亡くなってしまい
ます。普段は人間の姿をしていたのですが、死んで川から拾い上げられる時には
狼の姿になっていました。死体は、市の清掃車に運ばれてはなの前を走り去って
しまいます。



それからはたった一人で子供たちを育てるのですが、考えられる限りの困難に
遭遇していきます。二人の子供はいつでも狼になったり人間になったりするので、
他の人々に理解されることはあり得ないことでした。はなだけは彼らを異質なも
のとはけっして思いませんでした。もちろん我が子だからというだけではありま
せんでした。



生きてゆくために人里離れた山の古い家で、彼らの成長を見守るための暮らし
を選択しました。はなの子育ては、人間のことだけでなく狼の生態を知り理解す
ることにもありました。二人の子供たちは、はなからたくさんの愛情を受け、それ
ぞれ自分であることを受け入れていきます。



映画を見ている間、私は何度も泣きました。私の中にある狼子供が泣いていた
のだろうと思います。
どこか異質で、誰ともうちとけられず自分は他の人とかなり違っていると感じなが
ら、またそのことを理解されることもなく大きくなった子供の私が、それを見て泣い
ていたように思います。



この映画を見ていて、そうだそうだ!誰にも理解されないからといっていけない
わけじゃないんだ、と子供の私が妙に納得していました。違っていてもこんなふう
に愛されることができる。



子供たちははなのおかげで、魂や精神に深い傷を負うこともなく成長しているように
見受けられたのですが、この社会では人と同じではない・変わってる・その他様々な
理由でつらい経験をし、ものすごく傷ついている人が多いです。
孤独を持つのが人間ですが、その際に自分自身とのつながりが絶たれることによっ
て生じる孤独があります。



オーラでは頭頂部から上方にかけて、幾重にもそのつながりが断絶されていること
がわかります。自分とハイアーセルフや神との間に、否定的なエネルギーブロックが
あるために安心や信頼が得られず恐怖と孤独の中に置き去りにされます。



このような傷は人の存在のあらゆる次元に広がっているため、魂も精神も肉体も
感情も全ての癒しが必要となることが多いようです。またエネルギー的な処置やこれら
の傷を定着させている外的な要因なども浄化を必要とします。
そうしたブロックが癒されていくと、精神の自由や魂の回復によって肉体的にも心理
的にも健康を回復することができます。



また、これから生まれてくる子や成長している子やみんなにとって、人との違いを出
来る限りありのままに受け止めることは大切なことです。特に乳幼児から学童期の
経験は、その人の生涯の礎となります。人を育てることは、この目で見ることが出来
ないものを感じ取っていく、とても創造的でスピリチャルな経験そのものといえます。だけ
ど困難がつきまといます。でもそこで与えることが出来た愛情は、生涯にわたってそ
の子を助けます。それはとても尊いことだと思います。
                                        
                                    葉香



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