立春


                          2016.2.7  

寒さの中にも梅の香りがして、北風の中にもかすかに
春の訪れを感じます。
皆様は厳しい冬の日々、どのようにお過ごしでしたか?


私はこの数か月、歯の治療が続きました。
この治療中、最も興味深いことがありました。
それは、ある日のこと唇が痛み始めたことからです。
歯科用セメントなど化学物質による神経症状の一つでもあった
のですが、もっと他の精神感情面の原因もありました。
それは、私自身のセクシャリティに関するトラウマ体験からきた
痛みでした。


自分を女性としてどのように感じるのかは、幼い頃からの思考
体系と思春期や大人になってからの恋愛や結婚体験によって
出来た信念などの影響が大きいのですが、
私は、いずれもあまりポジティブな経験がありませんでした。
歯科治療中、最も困難だったのは思っていることや希望してい
ることを医師に伝えることに物凄くストレスを感じていたことです。
今まで人とのコミュニケーションに、このような問題を感じること
がなかったので、自分の反応に大変戸惑いました。



何度か自己ヒーリングをして初めてわかったことなのですが、
小学校の頃に転んで前歯が欠けてしまったことがありました。
当時、白い歯ではなく欠けた部分に銀色の歯がセットされ、そ
れを男の子からからかわれて、非常に大きなショックと毎日見
る鏡に映る自分の顔にだんだん自信を無くしていった日々の
ことが甦ってきました。
さらにその頃、暴力的な出来事にも遭遇し私は大変神経質で
内気で劣等感の塊のような女の子になっていきました。



治療用椅子に寝て、無防備な状態で口をあけ、前歯の付近を
麻酔注射されたり、ドリルでえぐられたりするという行為は私に
とって恐怖以外の何物でもありませんでした。
ただただ無力で自分が傷つけられているような気になりました。



でも、無口になって恐れていたらあの頃の自分を克服する機会
を無くしたままになることも感じられました。
そこで、自分の望みや意見を100%叶えてもらえるような関係
を築けるように、コミュニケーションの仕方や医師への恐怖心を
解消することやトラウマの解除などにも励みました。


そうした日々の中で、大切なことに気づかされました。
それは、コミュニケーションをするのはけっして言葉だけではな
く体全体、存在のあらゆるレベルでするのだと実感できたこと
でした。
黙って口をあけている状態で言葉をしゃべることが出来ず、私
の先生はほとんどしゃべらない人でしたので、恐怖と不安は
絶好調のレベルにありました。
だからこそ、目標を叶えるためにどうすればよいのか、と考えら
れたのだと思います。



そしてわかったことは次のようなことでした。
ネガティブな感情はそのまま人に伝わるので、思いの実現を妨
げてしまいます。心の中がクリアであることは成功へと至る重要
な要素です。


また自分が何をやろうとしているのかが明確でなければ、人は
メッセージを間違ってとらえます。
思ったことが相手に届かないことが度重なると、絶望的になって
人を責めそうになりました。
しかし気づいたことは、自分が決定することへの恐れや人が何
とかしてくれるだろうという安易な思いがあったことが原因でした。


また対等の立場を取らないでいると、協力体制を築くことは出来
ません。自己主張をすることは、自分のニーズにきちんと対処す
ることであって、周囲の人との間に境界腺を引いて、安全で公正
な環境を生み出すために必要なことになります。
話す前に、自分が求めていることや限界などについて、知ってい
ることがコミュニケーションを成功させる重要な側面となります。


もう一つは超能力です。
あるクライアントさんから、乗馬について大変興味深いお話を聞
きました。美しい競技をする大会馬が、何故そろって同じように
演技が出来るのかについてのわけです。
それを可能にする部分が、騎手の尾骨なのだそうです。
自分の意志を馬に伝えるために、騎手はこの部分を使うのだと
いうお話でした。

人間の尾てい骨は地球のアースとなる働きがあります。
また尾てい骨は仙骨や腰椎とともに、チャクラシステムと繋がっ
ています。ものを言えない状態で、他の人に自分の意志を伝え
るのに、この働きを使えないかと思いました。

試しにこの部分をクリアにし、正しい目的を明確にした上で医師
に願っていることを伝えようと考えました。
それは見事に実現しました。私が一言も発しないのに、全てを
思っている以上に処置してくださって、どれ程感動したことでしょ
う。深い部分で私たちは、一体なのだと実感しました。
馬も人間も地球にアースして生きて存在している繋がりのある命。


そして立春の日に、このようにしようと考えたほぼ全部のことが
医師や技工士さんたちの協力を得られたおかげで出来ました。
歯の治療になど全くストレスを感じない方にとって、きっとおかし
な話に思えることでしょう。(笑)
そんな方はぜひこれを、いろいろな人や物事に置き換えて参考
にして頂ければうれしいです。

最も恐れていることに挑むことは、最も大きな解放をもたらすも
のでもあるのだと思いました。
間もなくまた美しい花の季節が訪れますね。
皆様どうぞお元気でお過ごしくださいね。
                             
                               葉香




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