紡いだ糸
2018.1.2
新年のお慶びを申し上げます。
毎年見る箱根駅伝を見ながら、このコラムを書いています。
次の選手に一秒でも早くタスキを手渡すために、必死で走る選手たち
の姿には毎年のことながら胸を打つものがあります。
走っている間は自分のベストをつくしながらも、自分のためだけではな
い物凄く厳しく過酷な時間が過ぎていきます。
極めつけは「・・山の神降臨!」というアナウンスが流れると、最高の盛
り上がりがやってきて、大興奮の流れになります。
心臓破りの山坂をものともせずに、何人もの人を追い越しながら登り
続ける勇ましい姿を見ていると、本当に惚れ惚れするほど魅力的です。
私の昨年は、それまでの経験を自分なりの知恵や人生の学びと出来
た一年でした。
長い間に心や身体に積み上げてきたものは、自分のものだけではなく
数多くの人のものもたくさん蓄積しており、重くのしかかっていました。
それを一つ一つ手放していくとき、気道が少しづつ広がるような感じが
して、命の糸に再びそっと触れていく感触がしました。
糸は以前に知っていたものでしたが、この糸の使い方を知らないでき
た部分は傷つき疲れていました。
どうすれば命を感じて生きていけるかを学ぶことが、とても大切なこと
だと私の糸は教えてくれていました。
命の糸はそれぞれの色あいと太さと異なった感触があります。
どうすればもっとも美しく輝くのか、そばにどんな糸を置けば似合うの
か、どのように扱えば切れずに守ることが出来るのか、それを知る
ことがとても大切なことだと思います。
そして自分の糸が、今どんな音を出しているのかに気づいていること。
この糸が隣の糸と出会ったときに、どんな音を出しているのか。
命の糸は一瞬ごとに編まれていきます。そしてそのたびに美しい音色
や耳障りな音色や力強い音色や弱々しい音色を出します。
出来る限り美しく強く力強い糸を織り上げていくことが、命を感じられる
ことに繋がります。
昨年紡いだ糸で作ったタスキをかけて、今年どんな走りをするのか。
今テレビでは、選手たちが箱根の山にさしかかっています。
頑張れ!
葉香
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