間違い
2018.4.1
してしまってから気づく間違い、する前から知っている間違い、
時が立ってから知る間違い、人に言われて知る間違い、まった
く知らずに犯す間違いなど、様々ありますね。
そんな間違いについて、少し触れたいと思います。
セラピーの現場で、最も人に大きなダメージを与える問題の
一つが、この間違いが大きくなった罪の意識です。
人に与えた罪も自分に与えた罪も、そこには裏返しのように
罪を責めるための罰が生じるようです。罰の中でも最も大きい
罰が死です。
そして病、貧乏、人間関係の問題、職業の困難、住居の問題
などへと続きます。
この罪と罰について、セラピーでの様々なシーンの中からあら
ゆる考察が生まれました。
人から追い詰められて自殺し、転生した後にも無意識レベル
で激しい恨みを持っている場面に出会います。
感情のエネルギーと強い念は、人と人とを結ぶ力を伴ってい
るため問題が解決するまで、時空を超えて恨む相手と出会っ
ていくのではないかと思います。
そして正しい解決策を手にしたとき、私たちはやっとそこから
自由になることが出来ます。
何が正しい解決策なのかに、同じ答えはありません。
解決策は、その人にとって学ぶべきことを学べたときにわかる
もので、同じような出来事でもみな異なっています。
しかし何が人を過去から自由にするのかについては、共通の
あることが起きたときだと言えます。
それは「許し」です。
以前、私がこの問題の中で地獄の苦しみを経験していた時、
もう誰にも愛されない。このような私は神にも人にも・・・・・。
そして何年も解決できずにいました。
ある日、どうしたらこんな私でも人に愛されるの?って真剣に
神様に聞いてみたことがあります。
しかし沈黙があるだけで、ずっと何も聞こえては来ません。
しばらくたった時、ふっと内側から声がしました。
「何もしなくていい。」
「えっ?何もしなくていいの?」
「そうだ。」
「どうして? もっと優しくしたり、もっともっと素晴らしい人にな
って頑張らなきゃ愛されないんでしょ?」
「・・・・・・・。」
そうして、わかったことがありました。
愛されるために、何かをしなくても良いのだということが。
「私、このままでいいの?」
「そうだ。」
このときの沈黙は、生まれて初めて知った本当の智識のよう
な尊い感じがします。
それまで私がこのままでいいって誰も言ってくれたことはあり
ませんでしたから。
この智識は、許しをさらに加速させてくれました。
間違いを犯した私だったのに、このままでいいと言ってくれた
内側の声は、自分を許してまた歩き出すようにとの励ましでも
ありました。
過去は時に、私たちの人生を押しつぶしてしまうことがありま
す。でも安らぎや幸福の道を生きていくためには、過去へのこ
だわりから自由になることが求められます。
そのために許せない人や許せない自分を、もういいよっと手放
すことが出来たらと思います。
肉体、感情、精神、魂の様々な領域にまたがるネガティブな
記憶を所持しているため、内容によってはとっても難しいこと
ですが、困難であればある程それを手放す必要があります。
何故ならそれを持ち続けることだけで、人生をかなり消耗して
いるはずですから。
間違いを訂正する時間を与えることが出来れば、喜びを再び
見出すことが出来ます。
そしてどんな苦しみにも、形を変えた学びが隠されています。
たとえ同じ過ちを繰り返したとしても、それに気づけるためには
責める心を手放して許すことが解放をもたらしてくれます。
間違いはそこで終わるためではなく、あらたな選択をするた
めに自分に与えられる機会だと思います。
何もしなくても、神が私たち皆を愛してくださるように。
何度も何度も間違い、何度も何度も責めてしまいそうになるけど
何度でも許す機会が、そこにあるだけなのだと思います。
葉香
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