2021.6.5

ジューンブライドと薔薇の季節を迎えましたね。

私はこの数か月、深い海の底深くに潜ったクジラのように、なかなか海面に

浮かび上がることもなく答えを探し続けていたことがあります。

今年初め頃に起きた目の異変は、解決できずにいた答えへと導いてくれま

した。


<ジョハリ・ウィンドウ>として知られる、意識の世界を4つの窓で表した中

には、公開されているもの・他者には隠しているもの・自分にも他者にも気

づかないもの・自分に見えず他者は知っているものの4つがあります。

その答えのある場所は、自分にも他者にも気づくことが困難な部分でした

が、身体の異変によって覗きみたことから始まりました。



目を治そうといろんなヒーリングを施すうちに、胎児から幼児期の頃の記憶

が山のように出てきましたが、どうしても癒せない部分がありました。

父母からの暴力行為に対して、どんなに理解しようとしてもしきれない所で

あり、父母のことも私自身のことも許すことが出来ずにいた部分です。


何重にも包まれた痛みの多くを、ヒーラーとしての暮らしの中から癒し続け

てきましたが、キャベツの皮をむき続けたら硬い芯に行き着いてしまったよ

うな感じがしたまま春が終わり、5月が過ぎました。

でも有難いことに、死を前にしたようなときには今まで捨てられなかったもの

でも捨てられることがあるものですね。



目の異変や病は、潜在意識の奥深くに埋もれた否定的感情や意識を解放

し、手放すために起きていました。

今生は人生のスタート地点で既に死の危機とともにあったため、これらの

テーマになると恐れのあまり、途端に固まってしまうような状態に陥りました。

身体の細胞や組織には知性が備わっており、独自の記憶保管庫でもある

のですが、このたびの目と関連する全ての組織には、父母とのネガティヴ

な感情が積み上げられていました。

生まれたばかりの幼い目や耳や皮膚などの五感は、世界を興味深く見たり

感じたりして全身で吸収していきます。



全ては自己責任という考え方と、記憶された他者の感情エネルギーという

部分については、とても複雑で繊細な配慮が必要だと感じます。

隠され抑圧されたこの感情エネルギーを解放することは、何よりも心身を

癒すために重要なことですが、自分や他者を純粋に愛するためにとても

必要なことだと改めて感じました。


許しと愛を阻んでいたのは、無意識の中でも自分自身が見ることを拒絶し

ていた所で、愛の欠如と破壊的なエネルギーの部屋にありました。

どんなに見ることを拒絶しても、そこに在る破壊力は勢いがとても強くて自分

を病に追いやったのだと思います。



とうとう、全てを手放しますという所まで追い込まれたことはラッキーでした。

死に関わるトラウマとなった父母への感情を、完全に捨てると決めて何度も

トライしました。

登山家がヒマラヤの最高地点にたどり着く瞬間て、こんな感じなのかと思い

ます。途中の雪や嵐や身体の衰弱、気圧の変化、環境の影響や人などの

あらゆる出来事を乗り越えながら長い道のりを登っていって、頂上に着く時

やることって、一歩足を前に出して踏みしめるだけ。



そこで私が見た景色は、本当に信じられないものでした。

父も母も、その遠い遠い昔に私が完全な愛を経験した人々だったのです。

それをほんの一瞬ですが垣間見たとき、私にも完全な愛の記憶が残されて

いたことを知りました。今までの否定的感情の全ては、手放そうとしなくても

消えてしまい、代わりに人間がどれ程の痛みを経験したらこんな悲しいこと

になるんだろうと思いました。

同時に私はどれ程、この愛から遠くに来てしまってたんだろうと愕然としまし

た。



今生、父母のもとにやってきた理由が、よく分かったような気がしました。

私は、あの完全な愛を二人と一緒に経験したかったのです。

またその愛に触れたくて、二人を選んだと思います。

だからこの世界にやってきて、父母の冷酷な姿に触れて、自分のことを失敗

したって思って、早々と絶望してしまったのでした。


でもほんとはそうじゃなかった。

人生を生きるというお話は、生まれるずっと前から始まっていたのですが、

これから始まる愛への物語の中にもあるのです。

人との間に存在する完全な愛というものを、父母に気づかせてもらえたの

ですから。



この愛はずっとしまい込まれていた記憶だったのですが、それを父母との

関係性の中に見るということが、私にとってとても重要なことでした。

幼児期に見たものは、生涯にわたり拭い去ることが難しいものでした。


しかし今、たとえ表に見る姿がどのようなものであろうと、どれ程受け入れ

がたいものであろうと、どれ程恐ろしいものであろうと、人の中にある本当

の姿は愛だということを、父母は長い時をかけて教えてくれています。

死と生を隔てるものは、その愛をどう活用するかによって変わってきます。

正しい使い方をすれば命を生かし、間違えると殺してしまう。



二人とも既に亡くなってしまって遅すぎたかもしれないけど、正しい愛の使

い方を学び実践していける一日があります。

真に愛しあったあのエネルギーを、この身体を通して感じながら生きていく

時が与えられています。

                                   葉香




     前頁へ



                 ホームへ