空の上に


                                    2023.6.1

六月の季節、皆様はどうお過ごしでしょうか?

私はこのところ、30年前の自分と出会うような経験をしました。

以前の職場の上司と30年ぶりの再会がきっかけで、仕事に対する当時の自分の取り組み方を

振り返る機会がやってきました。

時が流れているのに、再会するやいなや私は部下になり彼女は私の上司でした。


業界のカリスマ的な上司の秘書として働いていたのですが、とても偉大な方だったので私は

何をするときも上司と会社のことを第一に優先して、自分の信条や感情に目を向けること

はありませんでした。彼女はその上司の奥様で、会社の役員でもあったのです。

再会するなり当時の私になっていて、上司の頼みや思いや都合を第一優先にしている

秘書が戻っていました。


何度かお会いしているうちに目眩がするようになって、はっとしたことがありました。

時が流れお互いに変わっていて当たり前なのに、昔の役割を現在に持ち込んでいた

ため、バランスを崩していたことが分かりました。

当時の私は上司の手足となって働き、自分の心を振り返る余地を持つ暇もないほど

夢中になって仕事をし、仕事での成功を喜びそれを誇りともしていました。


でも現在と過去とは全く別の考え方や生き方をしていたのだと思います。

特別な関係だったりした人には、脳が以前の情報を取り出して最適な方法で対応しよう

とするのです。

目眩は、現在の私と過去の私との混乱によって生じた赤信号だったのかもしれません。

自分自身を忘れることなく心と一つになり、ハートから接するようにしようとしたとき、

流れが戻ってきました。


自分自身の心を生きているときは、喜びや満たされた気持ちで感謝できることが一杯あります。

生活の中には、毎日のように不安や恐れが入り込んできます。

それを信号と捉えて進むのか止まって見究めるのかは、心が正しく働いていないと出来ません。

自分の境遇や身体についてどのくらい感謝しているかは、私にとって一つのバロメーターです。

心の中に安らぎや平安がある状態のときは、人との関係においても物事を進める上でも

スムーズに運びます。


でも役割や仕事だからとか、人がどう思うかと不安に感じながらことを進めたらうまくは運びません。

また自分のことで嫌だと思っているところがあるとしたら、そこは多くの光を待っている部分です。

痛い所や嫌な所を排除したり無視したり批判するだけだと、さらに悪化していきます。

そこに光をあて愛情を注ぐことが出来れば、痛みは和らぎます。

痛い所がよくなったり嫌な所が綺麗に見えたりするので、愛情の力はすごいことだと思います。

曇り空の上にはいつも太陽が輝いてるように、今日も私の痛い所に光をあてて干しています。

                                         葉香


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