お顔


                           2023.10.1

陽が落ちるのが早くなって、夕べの散歩は暗くなりました。

鈴虫やコオロギの音が耳に届き、今年は秋の訪れをとても有難く感じます。

このまま秋が来なかったらどうしようと思うくらい、長く続いた暑い夏でしたね。

コロナの後の気候変動の嵐は、日々、私たちの心や体に影響を及ぼしています。

長いマスク生活から解放されつつありますが、4年にも及ぶマスクの日々でした。

使うことが少なくなった筋肉は衰えてしまうそうですが、お顔の筋肉も同じです。


先日、あるイタリアの寓話を知りました。

レオナル・ド・ダヴィンチが「最後の晩餐」を描いたとき、最初に取りかかったのはキリストだそうです。

公園を歩いていて「目が澄んで、肌が綺麗ですがすがしい好青年」がいました。その人にモデルになってもらい

キリストを描いたそうです。

それから一人ずつ弟子を描いていって、最後に残ったのが裏切者のユダです。

数年でキリストと11人の弟子を描けたものの、ユダだけが思うように描けず三年以上苦しんだそうです。

そんな時、薄暗い酒場の片隅に一人の男性を見つけました。

人生の悲哀、裏切り、憎しみ、妬みを全身に背負っているような男でした。

ダヴィンチはこの男に近づき、モデルになることを頼みました。

絵を描き終えたとき、モデルの男の目から涙が溢れてきました。

ダヴィンチは理由を尋ねました。すると男はこう答えました。

「あなたは、私を忘れたのですか?3年前に、あなたは私をモデルにして「キリスト」を描いた。

3年たって、もう一度あなたから声をかけられ、今度は誰のモデルになるのかと思ったら、裏切者のユダだった。

泣かずにいられましょうか・・・」

この男性の3年という年月は、他人に対する恨みや憎しみ、文句や愚痴に明け暮れたため、その表情に

刻まれていたということでした。そして、画家の目にすら見分けが付かないくらい変わっていたのです。


このお話は寓話なのですが、日常に起きていることです。

人の体や心に刻んだ想いや言葉は、実りをもたらす種となりやがて時が熟して果実となります。

実りは植えられた時期や強さによって時間差があります。そのため果実を手にしても、自分が蒔いた種である

ことを忘れてしまいます。良いこと幸せな種には良い幸せな果実、そして不幸の種は不幸の果実。

蒔いた種が不幸なら、それは抜き取ることが出来ます。そして新たに生命の種を植えなおすのです。

心の毒は恨む相手を傷つけたり死をもたらしたりもしますが、恨む本人を蝕んだり不運をもたらし新たな

苦悩の種を自ら招きます。

心が折れてしまうような経験を一度もせずに、人生を終えられる人はいないけれど、また前を向いて

歩こうと思えるようになったら、今度は幸せな笑顔の種を蒔いて前進します。

ユダのモデルとなった人は、この日きっと立ち直ったに違いありません。


笑顔には凄い効用が隠されています。

笑顔セラピーによって、多くの方々の幸せに貢献していらっしゃる野坂礼子さんの提唱されていることですが、

笑うとほっぺたが上がり、目尻にあるたくさんのツボを刺激し、それが免疫力を高めるそうです。

笑顔は脳内ホルモンを活性化するので、ストレス緩和にもなり健康に最高の効果を発揮します。

若さが保たれ、人を幸せにしもちろん自分を幸せにします。

笑いたくなくてもいいそうです。ただ笑う動作だけで、脳は笑ったときと同じ状態を作り出すんですって。

また感謝の言葉、「ありがとうございます」という言霊の物凄い効力についても説いていらっしゃいます。

この言葉は以前から折に触れお伝えしてきましたが、真実だと明言できます。

大変パワーのある言霊で、日本が誇る素晴らしい宇宙言葉だと思います。

今日一日が、明日の表情を作ります。笑顔は幸せな明日に相応しいですね。

                                        葉香



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