年の瀬の

                       

師走となりました。激動の一年をどのようにお過ごしでしたか?
また、来年に向けてどんな想いをお持ちでしょうか・・・。
震災とその余波は、私たち日本人の心に大きな傷跡を残しました。直接的あるいは間接的に様々な生活の変化を余儀なくされた一年でしたね。

生涯、という言葉は非常に重い言葉だと感じます。生まれてから死に至るまで、安らかな日々だけで終えられる人は一人もいませんし、苦しみだけで終わる人も一人もいないことと思います。
年齢を重ねるにつれて、若い頃には考えもしなかったことが肉体にも目に見える形で起きてきます。また魂や精神の良い変化に気づく喜びを、感じることもあります。何億の人々は、一人残らず命の物語を生きています。
その物語
に触れたとき、其の方の苦労や喜びの重さを、時々自分のことのように感じられます。どんなご苦労がおありだっただろうか・・・と。
そして、これからの旅路が出来る限り安らかでありますようにと、峠の茶屋のおばあさんのような気持ちで玄関に立って見送ることがあります。
先日、ノートに紛れ込んでいた或る詩が目に止まりました。
マザーテレサがある建物の壁に書いた詩なのだそうです。この詩はマザーテレサ本人の詩だと思っていたのですが、そうではありませんでした。本当はある人の「逆境
の十か条」という詩であることがわかりました。この詩に深く感銘を受けたテレサさんが、目につくように建物の壁に書かれたのだと、友人からお聞きしました。

この詩に書かれていることは、作者のみならずおそらく彼女自身を励ましていたのだと想います。奉仕に費やす尊い姿を私たちは目にしますが、その外見からは想像もできない心の内を、見せてもらっているような気がいたします。彼女の命の物語を最後まで紡いだ糸は神への信仰ですが、苦しみに耐える強い横糸がその信仰を支えているような気がしました。私も、逆境を乗越える際の心の糧としながら、少しでも見習えればいいなと思います。

今年、皆様にも様々な良いことそして辛いことが押し寄せてきたことと想います。この時代を生きる私たち皆が、新しい希望に向かって歩んでゆけるように、強い心で乗越えたいと思います。来年が、皆様にとって本当に素晴らしい喜びに満ちておりますように。
心からお祈り申し上げます。                  
                                           葉 香





人は不合理、非論理的、利己的です     
気にすることなく、人を愛しなさい

あなたが善を行うと
利己的な目的でそれをしたと言われるでしょう
気にすることなく、善を行いなさい

目的を達しようとするとき
邪魔立てする人に出会うでしょう
気にすることなく、やり遂げなさい
善い行いをしても
おそらく次の日には忘れられるでしょう
気にすることなく、し続けなさい
あなたの正直さと誠実さとが
あなたを傷つけるでしょう
気にすることなく正直で、誠実であり続けなさい

あなたが作り上げたものは、壊されるでしょう
気にすることなく、作り続けなさい
助けた相手から
恩知らずな仕打ちを受けるでしょう
気にすることなく、助け続けなさい

あなたの中の最良なものを、世に与えなさい
蹴り返されるかもしれません
でも気にすることなく
最もよいものを与え続けなさい
                 
        
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