思考の力
2012・2・1
人間は一日に約一万回思考しているそうです。その思考の中で一番集中して考え、一番感心のある事が人生で実現します。またロバート・N・ウィリアムズによれば、意識的な知性によるデータ処理容量が一秒に2000ビットの情報であるのに対し、無意識の容量は40億ビットあるのだそうです。ということは意識的な知性が目標を望んでも、無意識が反対していたらいつも勝つのはどちらかが明白です。また、より強く思っていることが現れやすいと言えます。心の中に二つの相反する考えがあると、その思いの強い方が勝ちます。自分はたくさんのお金を得たいといつも思っていても、その人の自分に対する思考がとても否定的であったり、どうせお金など簡単に手に入るわけがないと思っていたり、調和を欠くような感情が心に満ちていたりすると現実化が難しくなります。
私は、サイコセラピーやヒーリングを通して心や身体についての癒しに携わってまいりましたが、思考が人生をどう創造しているかという事実を、何年も検証し見てきました。同じ病を持っていても、その本人が病とどう向き合っているかという意向を無視することはできません。
ヒーリングによって癒されるとしたら、その人の治ろうという思いと私の治したいという思いが一致したとき、とてもすばらしいことが毎回起きました。
本屋さんでもこの十年は、こうした類の本がとてもたくさん出回っていて、多くの方が引き寄せの法則とか現実化について口にするようになりました。いつも考えていることが現実化するのだと。しかし日頃、自分自身が発している思考について意識的かというと、そうではないようです。その理由の一つは、思考の基本となっている部分にあるのだと思います。
この地上にやってきたときの私たちの意識は、真っ白いキャンバス状態にあります。受精後の日々は選択する余地もないまま、外的環境や両親や人々から吸い取り紙のようにあらゆる情報を無差別に取り入れていきます。中でも、最も強く刻印することは生命を維持するための事柄や恐怖に対する反応の仕方です。
これは大変興味深い私自身の経験なのですが、胎児の頃に刻印したものがどのように人生に影響を与えるのかが、驚きとともに理解できた一つのことをお伝えしようと思います。
或る程度年齢がいってから私に起きたことなのですが、台所に立つとどういうわけか非常に腰が痛みました。キッチン台の高さが合っていないからかと思ったり、様々な外的理由を考えていました。何をしても良くなることがないまま痛みをがまんしていました。
しかし、ある日を境に急にその痛みが取れたのです。えっ!と大変驚いたのですが、そのわけはすぐに思い当たりました。
変わった事といえば、その前日にヒーリングをしたことです。その中で腰に関連する部分の修整をしたことを思い出しました。
それは私が胎児の2ヶ月から3ヶ月の頃に経験したもので、なんと私自身のものではなく当時の母の否定的な感情のエネルギーを記憶していたことが原因だったのです。母は嫁いできた家の家族から孤立していました。とても孤独で寂しくて家族に愛されていないのに妊娠したという不安に、耐えがたい日々をおくっていました。私の目に映った母は台所でご飯を作りながら、毎日を絶望的で否定的な感情ですごしていたのです。
この頃の母の生活は、私の脳の扁桃体に保存されており、ホルモンシステムや免疫システムなどの正常な働きを妨げ、腰椎・仙骨・尾骨にもエネルギーのブロックをもたらしていました。おそらくこれが台所での痛みの原因となっていたのです。これらを霊的・感情的・肉体的に全て修整しました。
人生の初期に経験した否定的な感情は否定的な思考の悪循環を創ります。そして生涯にわたり、無意識に私たちの人生を脅かすものとなって、変えようもないまま過ぎていく可能性がありました。
私はこれまでの経験から、全ての人々が人生を変えることが出来ると信じています。たとえどのように困難に満ちたものであっても。
そのために重要なことは、思考をポジティブで調和がとれ肯定的で満たされたものとしなければなりません。そして、自分が望まないものではなく望む物や状態に意識を向けることが大切だと思います。
愛や豊かさに満ちた意識的な思考をするのはもちろんのこと、無意識となった否定的な思考を捉え、この無意識のパワーをポジティブなものとしなければなりません。無意識なメッセージはまるでCDとそっくりです。繰り返し繰り返し同じ音が鳴るのです。
これらを最高最善の楽器に変えて、すばらしい音が出るようにしたいと願っています。
葉 香
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