春2012.4.1
ようやく春が来ました。
昨日桜の開花宣言がなされました。今年の新入生や新入社員は満開の桜の中を歩いて、新しい時を経験していくのでしょうね。
桜が皆様を包み込んで、たくさんの成功とたくさんの成長を見守ってくれますように。
先日ある会合に出席したとき、とても興味深いお話をお聞きしました。
それは、魚のカマスのお話です。
大きな水槽にカマスと小魚が入っているのですが、真ん中は透明のガラスで区切られているため、一つの水槽なのに、カマスと小魚は近づくことができません。
ちなみに、カマスのえさは小魚なのだそうです。カマスは何度も何度も小魚をめがけて飛びつくのですが、そのたびにガラスにあたって痛い思いをし、決して小魚を取ることが出来ませんでした。
時がたち、真ん中の透明のガラスのしきりを取ったのだそうです。するとお腹のすいたカマスはどんな行動を取るかという質問を、話し手の方がされました。
いまやすぐそばで小魚が泳いでいます。皆様はどう想われますか?
そうです!皆様のご想像通り、カマスはもう小魚を襲わなくなっちゃったの。
私も聞いていて、うっそー!と最初は思いましたが、自分にも心あたりがあってそうかもしれないと思いました。お話はまだ続くのです。
そのうちまた時がたってその水槽によそからやってきた元気なカマスを入れました。
すると今度はどんなことが起きると想いますか?
なんと、食欲旺盛なそのカマスがばりばりと餌にありつく姿を見て、他のカマスたちが真似をし始めたのだそうです。
私たちの目標達成や成功を妨げるもっとも大きな障害の一つが、ここにわかりやすく説明されていました。それをメンタルブロックと呼んでいます。つらかった経験が何度も何度も繰り返されるうちに、もう二度と自分には出来ないと信じてしまいます。それは私たち個人の自己イメージやトラウマとなって、チャレンジすることを初めから諦めてしまいます。また、それが変えられるものともけっして思わないのです。
私は人々の心の中にある、食べることをあきらめたカマスをたくさん見てきました。
でもそれ以上に、自分の中にある無数のカマスを知っています。
どんな小さな成功でも、昨日の自分を越えられた瞬間の喜びはたとえようもありません。
そのたびに、これが自分と思っていたものは幻想にすぎないことを認識してきました。
小さな自分がほんとは誇り高いもので、正直さの中にこそほんとの道があるということにも気づいてきました。このままの自分がどれほど価値ある存在であるかを、心から理解していく喜びは大きな安心をもたらしてくれました。
その会合には、自分のカマスを次から次へと乗越え、まるでスターのように輝く人が出席されていました。さわるといいことがあるよとそばにいる人が教えてくれたので、その元気なカマスと握手をさせてもらいましたら、とっても柔らかい手でした。
葉香
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