暑中お見舞い


                                  2013.8.2


8月に入り暑さも盛んになりました。皆様お元気ですか?
今月は二次的な利得というテーマで書こうと思います。
二次的な利得とは、不都合に見えているものの背景に実は隠された
利得を目的としたものがあるという意味です。これは健康面や人生の
選択などあらゆる面で使われます。ただ、そのことを当の本人は気づ
いていないことがほとんどなのです。



印象深い例えがあります。
何年も前にお会いした方なのですが、50歳近い女性のご相談を受け
たことがありました。
彼女は今まで結婚をしたことはありませんでした。美しくたくさんの結
婚話が来るので、お付き合いをしこれからいざ結婚という時が来ると、
必ずお母さんがいろんな病気になりました。



病気になった母親は娘を片時も離そうとせず、だんだん結婚話が立ち
消えになっていきました。
それが一度や二度ではなく何度も繰り返されるうちに、娘さんも苦しみ
が増していきました。



なかなか信じられないことなのですが、このお母さんの病気には、これ
と引き換えにもたらされた利得がありました。娘さんからの同情やお世
話や気遣いを受け取るという利得です。



病や事業不振や人間関係のつまづきなど、多くの悩みと接しているうち
に、私たちの潜在意識には成功や快癒を妨げる様々なプログラムが組ま
れていることがわかってきました。



その中で病についてだけでも、数多くの二次的利得を目的としたものが
あります。この利得が災いとなって、病を創造したり長引かせていること
も長い間の研究で解明されています。



J.Eアディントンさんの研究では、
神癒を妨げるいくつかの例があげられています。



 1.自己処罰を必要とする思い・・罪の意識を和らげようとして自分を
   傷つけ病気にかからせる。

 2.病気をもって、家族が家から離れていくのをつなぎとめる楔に利用
   する。

 3.責任回避の合理化が色々の仮面をかぶって行われる。・・決算期
   を避けるために病むなど。

 4.愛に欠乏を感じているため、家族の関心を引き付ける目的で病気
   をする。

 5.人々の注目を得るために病という舞台で役を演じる。

 6.勝利の栄冠を捨てたくないためのもの。・・あなたの医術では私の
   病は治せないと証明する。

 7.仇を取るつもりで病気になって、誰かのせいにしようとするもの。

 8.罹災癖・・度々事故を起こして手柄顔してしゃべる。

 9.その他多数




どうしてわざわざこのようなことを?と信じられないかもしれませんが、
無意識化では複雑怪奇な事情が繰り広げられています。意識下で意図
したものは、免疫システムや神経系、ホルモンシステムや器官に否定的な影響を
もたらし現実化されるのです。



これらは人からの愛や承認を求めて、自分の心を満たそうとする未完成
な土台によって作られたプログラムなのです。この方法は求めるものを得る
ために、自分自身や人を深く傷つけ束縛し人生を破壊したり困難な状況
へと追い込みます。



最初に書いた娘さんのお母さんは、まったくその自覚がなかったのです
が、エネルギー的な背景には明らかにこうした束縛とコントロールによる作
用が働いていました。しかしご本人の理解を得ることは大変困難でした。
誰も好きで病気になんかなったんじゃない!苦しんでるのは私なのだと。



私にはこのお母さんの気持ちがよくわかりました。自分の中に隠されたも
のを知ることがどれ程困難なことか、身をもって知っているからです。私
は数多くの痛みを否認という部屋に置いたまま生きてきて、その存在に
すら気づかずに大人になりましたから。



その後お母さんは娘さんの縁談が破談になった途端、すぐに元気になり
ました。この方法は、有無を言わさずに人を動かす力となり、欲しいもの
を得るための強力な手段となることもありますが、相手の自由を妨げた
り支配や束縛を感じさせ、結局は互いの純粋な愛情を損なうことになり
ます。何より命を大変危険な目に会わせることがあります。



もし勇気を持って、私と一緒にその扉を開くことが出来たらきっと大きな
解放を得ることができるでしょう。

この時はお母さんを癒すこと、そして娘さんをここから自由にすることが
ヒーリングの優先事項となりました。これらはサバイバルプログラムや破壊プロ
グラムとして潜在意識にプログラム化されていますが、そこにはプログラムが作
られたときの、大変厳しい状況や愛の欠如によるトラウマや暴力的な状
況を伴うことが原因となっていることが多いように思います。



これらを解消することは、問題の背景にある傷を癒すことにつながり、目
的を達成するためのシンプルな方法へと切り替えられ私たちを強くしてくれ
ます。ひいては愛の入り込む余地が生まれることで、より大きな癒しが起
きます。


病の背景にはもちろん、このような利得とは無関係なことも多いのですが、
このことは癒しという観点から、本当に深く大きなテーマを内包しています。



癒されるということは、いったいどのようなことを言うのでしょうか。
病気になったら早く良くなりたい、重病になったら今すぐにでも全身から
病巣を取り除きたいと必死で思います。しかし、心の奥底にある愛され
たい認められたい慰められたい傷つきたくない失いたくないという強い
欲求が、時として真に癒されることを妨げているということも気にとめて
おきたいことです。

                                     葉香





 前頁を見る                             次頁を見る
                   ホームに戻る