私の夏



                             2015.7.23

蝉の声と帽子をかぶった子供たちと、かき氷と青空に浮かぶ白い雲
真夏の定番とも言えるような光景が広がっています。
何十回も通り過ぎた夏なのに、初めて経験しているような気がする時
があります。ヒーリングを行うようになってから16回目の夏です。


開業当初からずっと、私どもをおたずね頂いている方々にお会いする
時も不思議なのですが、この季節のように初めてお会いするような気
がすることがあります。
深い信頼と敬意をもって接してくださることで、再会はそのつど喜びとな
って私を包んで頂いてるからかもしれません。


この仕事を開業するために、数年の準備期間を要しました。
一人の友だちを癒したいという想いだけがその数年を導いてくれました。
それまで多くの挫折を経験してきた私にとって、お勤めをしながら学び
続けることを可能にしたのは、その友だちの私への信頼があったから
です。
それから16年もの歳月をこの仕事に費やしてこられたのも、皆様の信
頼を頂いたおかげです。


先日「ヒーロー」という人気テレビドラマの放映を見ていて、あのドラマが
2001年に始まったことを知りました。
私は2000年に開業したので、ほぼ同じような時を経ていると感慨深い
ものがありました。
出演者にも主人公にも歳月による変化があるように、私の人生にもこの
間様々な変化がありました。そして人生における危機と向き合う日々だ
ったように思います。


病や死、孤独や喪失、断絶など目をそむけていたいことが、避けられな
い現実として次から次へとやってきました。
また私の経験に呼応するように、クライアントさんの相談内容も真正面
から取り組まなければ解決できないことばかりでした。


初期の頃はサイコセラピストとして心理療法を主に行って、そのうちそれ
では足りないと感じ始め、人の全体を観ることへと進んでいったのは自然
の成り行きだったと思います。
おかげで様々なあらゆる症状にも、慌てず何とか対処できるように努め
てきました。


今感じていることは、また何かを一から始める時が来たように思います。
赤ちゃんが生まれる時のように、私の仕事もまた何かを産む時を迎え
ているような気がします。
それが何を意味するのか今はまだわからないのですが、
井戸の水は絶えず新鮮で清らかなように、私の井戸もそんな風になる
ために変化を必要としています。


ひょっとしたら、それは私自身を生むことなのかもしれません。
この人生がスタートして、あまりにも深い混乱と闇が私を取り巻いてきま
した。必死にただ闇の中を駆け抜けながら、ずっと求めてきた本当の私
になること。今までも何度も生まれ直した気がしますが、それを何度も
何度も生まれ直して、私というものに近づいて行く旅の中で、新たな誕生
を必要としているのかもしれません。



それぞれの季節を皆様もお迎えのことと思います。
暑い太陽の下、どうぞお体ご自愛くださいますように。

                               葉香





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