2016.5.12


連休中を皆様はどのようにお過ごしでしたか?
晴れ間が多く、長い休暇を楽しまれた方もいらしたことと思います。
私は美容院に行ったりのんびりして過ごしました。
美容院で読んだ週刊誌の一ページがとても心に残りました。


それは皇后さまとでんでん虫のお話です。
以前、心無い週刊誌のバッシング報道で皇后さまはお心を痛められ、
お声が出なくなられたことがありました。
その時のことですが、童話に書かれたでんでん虫の話をお読みになった
皇后さまのことが書かれてありました。

あるでんでん虫が、背中に乗ってる殻が大きくて重くて大変だから何とかし
てもらえないでしょうかと、そばにいる仲間に助けを求めました。
するとお隣をゆっくり動いていたでんでん虫は、私の背中にも大きな殻が
乗っかっててとても重いのですと答えました。
皇后さまはその話をお読みになられて、誰もが皆同じように背負っている
悲しみを想われ、つらい時期を耐えながら、通り過ぎていらっしゃったそう
です。


人の想いは様々な形で周囲に影響を与えます。
悪意に満ちた想いは空間を超えて人に伝わり、その人に影響を与えます。
恨みや憎しみや怒りや嫉妬の想念でいっぱいになった人の息をびんに
詰め、そこにハエを入れると5分くらいで死んでしまうそうです。
小さな動物だけでなく悪意を向けられた人にも影響し、免疫力低下や神
経や臓器などの器官組織に影響を及ぼします。
しかし、そうした想念を発する時の血液や神経は何事もないわけではあ
りません。 怒りや憎しみはそれを発する本人の血液を汚し、細胞を破
壊していきます。



トラウマを解除する際に、当時の人の悪意が蓄積されていることがあり
ます。人々の身体や精神の何層にも及ぶことが多く、その後の人生に
多大な影響を及ぼします。
トラウマとなった状態は、その出来事や想念やあらゆる感情や想いの全
てをパックして凍らせてしまうからです。
そして同じような状況がやって来た時、固まってしまい身動きが取れず
恐怖で選択肢をなくしたり、よく似た人に出会っただけで震えたり、よく似
た言葉には、特に敏感になってしまうので、良い人間関係からでも、遠の
いていったり選択肢を極端に狭めてしまったり、精神のダメージをもたら
します。そして体には痛みと苦しみが残ったまま、長い年月にわたり影響
を及ぼします。



それらを解決したら、痛みは解放でき本来持っている力や解決能力を使
い、再び人生に立ち向かっていくことが出来ます。そこから自由になること
は、自分を幸せにする上で計り知れない程重要なことです。


しかしどれがトラウマや精神的・感情的・心理的なことからくるものかどうな
のかの判断をすることは、簡単なことではありません。
これらは痛みが長引く、不安感が続く、病などの身体の不調の原因と結び
ついていることが多いです。またあらゆる人間関係のつまづきなどにも現
れます。
見過ごさないで、お薬や対処療法だけで解決しようとせずおたずねください。



皇后さまは、周囲の人々の優しさや国民の励ましにも支えられたということ
を、当時報道でおっしゃられていた記憶があります。
おかげで、優しさをたたえられた皇后さまのお声をお聞きすることが出来ま
す。私たちの住む環境や人間関係は、それぞれの人生と切り離せないもの
です。心優しい人々と互いを思いやりながら歩く人生は、悲しみを何倍にも
小さくしてくれます。
でんでん虫の背なかに詰まった悲しみをたくさん取り除けたら、その背には
代わりに喜びが詰められます。
喜びは人生の重荷を軽くしてくれます。
与えてもらった優しさは、厳しいいばらの道を歩くときの革の靴となり、険しい
山道を歩くときの野花のように、慰めとなってくれます。


                                    葉香    



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